最果てに憩う


「最果てに憩う」
歌唱/重音テト
制作/院出穣司
公開/2024年9月27日


はしがき

 本作は私がはじめて作ったボーカロイド曲であり、はじめて公開した楽曲であり、はじめて作った映像作品でもあります。何もかもがはじめて尽くしで、少し作っては調べ、作ってはまた調べを繰り返していた覚えがあります。

 本作の歌詞を書いたのは2021年のことなので、作詞から公開まで3年もの月日を費やしたことになります。作りかけては放置し、また手を加えて、としているうちにずいぶんと時間がかかってしまいました。
 それでも、なんとか体裁を整えて公開に踏み切ることができたのは、幸運なことだったなと思います。

 作曲や音作りにはまだまだ荒さがあるな、というのが正直な感想なのですが、歌詞と曲名は結構お気に入りです。また、MVの最後に出てくる曲名の英訳 “Let’s go to world’s end.” もお気に入りポイントだったりします。

 思い出深い作品ですので、いつかリメイクなどしてみたいものです。


歌詞

地図は焼かれた
磁針コンパスは奪われた
たよりは朧な記憶と
君が指すポラリス

醒めやらぬ西を嫌い
薄明の東へ
東風こち吹けどその香は
ただ異国の砂埃

君は遥か空の果ての
郷曲きょうきょくに心とどめて
帰る場所のないものさえも
共に連れて旅路をゆく

つめたく冴えた群青の中
愚かさにも似た思慕を抱いて
(嗚呼、)

死に至る太陽を疎み
夜の帳を迎える
出ずるべき山はなけれど
天頂に月は輝く

君は遥か海の果ての
彼のひとに心預けて
帰る場所を捨てたものさえも
拐かすように惹きつける

灼けつくような赤銅の中
その罪深ささえ忘れたまま
(嗚呼、)

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